楷書を美しく書くための5つのポイント

【5つのポイント】 2.横画の方向

point 2  横画の方向がそろって見えるように書く。

 

“そろえて書く”ではなく、“そろって見えるように書く”。

横画は、基本的には、下の方の横画になるほど、右上がりの度合いをほんの気持ちゆるめます。こうすると、横画がそろって見えます。

すわりの良い落ち着いた文字になります。

 

○「華」

5つのポイント「華」1 5つのポイント「華」2

「華」焦点横画の右上がりの方向をだんだんとおさえることによって、上↑の図のように、遠いところの一点に横画の余韻を収斂させることができます。この横画の方向を見て我々が何となく心地よく感じるのは、横画が、この図のような有機的なまとまりを形づくっているからです。

 

 

 

○「重」

5つのポイント「重」1

5つのポイント「重」2

 

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もう少し踏み込んでみますね。下は↓、古典「雁塔聖教序」の「前」字です。「華」や「重」字のようにたくさんの横画が並んでいるわけではありませんが、考え方は同じですよ。補助線を見れば、遠いところの一点に方向が収斂していることがわかります。例えばもし、最終画の始筆の位置を上げすぎてしまうとどうなるでしょうか。方向に統一感がなくなって、乱れた感じに見えてしまうでしょう。そのようになっている古典も中にはありますが、基本的には、方向をだんだんと抑えることによって、目に違和感を感じない落ち着きのある文字にしたいものです。

「前」焦点

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