point 2 横画の方向がそろって見えるように書く。
“そろえて書く”ではなく、“そろって見えるように書く”。
横画は、基本的には、下の方の横画になるほど、右上がりの度合いをほんの気持ちゆるめます。こうすると、横画がそろって見えます。
すわりの良い落ち着いた文字になります。
○「華」
横画の右上がりの方向をだんだんとおさえることによって、上↑の図のように、遠いところの一点に横画の余韻を収斂させることができます。この横画の方向を見て我々が何となく心地よく感じるのは、横画が、この図のような有機的なまとまりを形づくっているからです。
○「重」
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もう少し踏み込んでみますね。下は↓、古典「雁塔聖教序」の「前」字です。「華」や「重」字のようにたくさんの横画が並んでいるわけではありませんが、考え方は同じですよ。補助線を見れば、遠いところの一点に方向が収斂していることがわかります。例えばもし、最終画の始筆の位置を上げすぎてしまうとどうなるでしょうか。方向に統一感がなくなって、乱れた感じに見えてしまうでしょう。そのようになっている古典も中にはありますが、基本的には、方向をだんだんと抑えることによって、目に違和感を感じない落ち着きのある文字にしたいものです。