名前見本の書体について

当WEB名前字典の見本文字の書体は、

 

楷書
(※書くのが最も難しい書体。書史では一番最後に完成した書体で、それ以降、千数百年もの間、いまだに楷書に変わる書体が出て来ていないのですから、楷書が最も磨き込まれていて書くのも一番難しいということは論をまたないといえます)

 

下の写真↓は「楷樹(楷の木)」という木です。書体の「楷書(かいしょ)」という名称はこの楷の木に因んでいます。
枝が直角にシャキッと伸び、葉も規則正しく整然と並んでいます。乱れたところがありません。楷書もこの楷の木のような気持ちで書きましょう。
孔子(こうし)の冢(つか)に植えられ、その上におおいかぶさるように茂っていたこの楷の木は、中国では科挙(かきょ)の合格祈願木として文化人らが自宅に植えました。楷の木は「学問の木」ともいわれています。

楷樹(楷の木)

 

楷書に近い行書

 

やわらかい行書
  中には、草書に近い形で書いたものもあり。

 

標準的なカタカナ

 

温雅なカタカナ(隷書の筆意を意識しながら書いたカタカナです。横画は水平を基調にしています)
【棒引き仮名づかい】によって書いたものもあり。
例:ユウコをユーコ、タロウをタロー、エイタをエータなど。また例えば今日子はケフコとはせず、キョーコとします。蝶もテフとはせずチョーとします。夕子なども、ユフコではなくユーコとします。

 

標準的なひらがな

 

古風なやわらかいひらがな(つづけ字もあり)

(※ここは日本ですのでカナは外せません。日本固有の音節文字です)

(※漢字文化圏やかな文化圏以外の人がこのサイトを理解したいのなら、漢字とかなの繊細さをきちんと勉強すればよいのであって、日本人が外国人に合わせたような、ド派手なものばかりを作る必要はありません。日本人が外国人に合わせるようなことはよくありますが、異邦人が日本に合わせることなんてたくさんあるだろうか……)

 

で丹念に筆記しています。 ひらがな・カタカナの名前見本項は、発音が重複していれば何度も書く必要はありませんが、兼用していません。 すべてその都度書いています(例えば「優子」・「裕子」・「祐子」・「佑子」欄の、各「ゆうこ・ユウコ・ユーコ」という見本文字は、それぞれすべて違うということです。ぜひご覧ください)。 もう一度書けばさらによいものができるかもしれないからです。微妙な違いも参考にしていただけます。

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【棒引仮名遣(ぼうびき‐かなづかい)】
字音の長音を棒引きの符号「ー」で記す仮名遣。1900年(明治33)8月公布の小学校令施行規則により当時の小学校の教科書はこれに拠ったが、08年9月文部省令により廃止。『広辞苑』
【棒引き仮名遣い(ぼうびきかなづかい)】
字音語や感動詞の長音を「こーちょー(校長)」「いーえ(いいえ)」のように、「ー」を用いて表す仮名遣い。1900年(明治33)の小学校令施行規則によって小学校の教科書で用いられたが、08年の文部省令で廃止された。『大辞林』

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

世の99.9パーセントの人は、書壇で盛り上がっているような、読めない文字にはあまり関心がないと思います。その展覧会内部で話題になって、その何千人か何万人かで盛り上がっているだけです。世のほとんどすべての人が、うまい字として認知するのは、やっぱりふつうの楷書やオーソドックスな行書だと思います。書壇での書の状況と世間の興味は、正反対のままで推移していると言えるのではないでしょうか。展覧会的には、楷書はあまり面白みがないとして問題にされませんが、普通の文字を普通に教える、あるいはふつうに使用する、という世界を歩むには、楷書の確かな技能は一番の強みになります。不可欠の技能といえます。楷書がシッカリと書けなければ、危ういとも言えます。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

いずれ、これらの名前見本に書き方のポイントを書き添えた、 『WEB 名前字典――解説編――』も立ち上げるかもしれません。

いやっ、それはちょっとムリか(^_^;)。。秘訣は、当コンテンツの“書き方ポイント頁(「文字内部をすっきりと明るく」「楷書を美しく書くための5つのポイント」「楷書を美しく書くためのもう少し高度な3つのポイント」)”以外にも山のようにあります。ただ、詳しく解説するためにはある程度の時間が必要で、その解説に時間を充てている余裕がありません(ただ、中には、短い解説をぽんと加えている見本もあります。あなたの知らないことかもしれません。どんなことが書いてあるのか気になる方は、各見本頁をご覧ください。「あぁ、ちゃんと見ておいてよかったあ~」ということが書いてあるかもしれませんよ(^^)フフフ)。見本文字をじっと見て、各自でつかんでください。当サイトを生かせるかどうか、それはあなた次第です。こちらは静かに最高のものを提示して、当サイトへの人々の来訪を静かに待っています。もう一度申しますが、当サイトを生かせるかどうか、それはどこまでもあなた次第。

URL
TBURL
Return Top